ティピーのあゆみ
はじまり
1990年代初期、孤立した子育てから地域での仲間づくりを目指し、
乳幼児を子育て中の母親が子育て仲間と自主的にグループを立ち上げ、
共に子育てを支え合う「子育て自主サークル」が全国各地に
次々と誕生しました。
同様に、当法人の活動拠点である大阪府高槻市でも
多くのサークルが誕生しましたが、 立ち上げのメンバーが
幼稚園等でサークルを退会すると、
後を引き継ぐメンバーが見つからず自然消滅するケースが圧倒的で、
数年単位で誕生・消滅を繰り返していました。
せっかく地域で立ち上がったサークルが世代交代しながら
地域に根付くお手伝いをしたいと考え、1994年「子育て自主サークル」
同士の交流の場を提供するボランティア組織を立ち上げました。
活動の広がり
同時に、まだ『子育て支援』という言葉も制度もなかった時代、
自らの子育てを通じて、
子育てしている親を「どこで」「誰が」「どんなふうに」
支援してくれるのかを知るために、
市役所や公民館、保健所など、様々な所に出かけて情報を収集し、
市内で子育てするのに役立つ子育て情報冊子を自主作成しました。
その活動を通じて、子育て中の見知らぬ親から
「日中、誰とも会話が無く、寂しい」
「どこに行けば子育て仲間に出会えるのか」
「子どもと出かけられる場所を教えてほしい」などなど、
電話や手紙(その当時の情報手段)が日に何件も何通も、
民間のボランティアグループの私たちの元に届きました。
多くの子育て現場で切実な子育てに対する不安や仲間を求める声、
情報を必要としている現状等々を身近で聴き、
親子・家族・地域にとって今必要な支援が何かを正確に把握し、
その時々に応じて下記の事業を瞬時に実施してきました。
活動の軌跡
子育て自主サークルリーダーの定例会
(1994~2003)
子育て情報冊子の発行(1996-2007)
子育て講演会(1996~随時)
赤ちゃんのつどい・妊婦さんのつどい・ワーキングマザーのつどい
(1998-2005)
広場自主運営(2002-2006)
父親の子育て力育成連続講座
(2008年度独立行政法人福祉医療機構)
孫育て・子育て連続講座
(2009年度日本生命財団助成事業)
関わりがむずかしい幼児の理解と支援力養成講座事業
(2011年度独立行政法人福祉医療機構)
少し気になる行動をする幼児とのかかわり方を学ぶ
(2013年度社団法人生命保険協会)
種々、単発イベントを数年実施する中で、子育て中の人が、 いつでも必要な時に出かけられる場所の必要性を感じ、
自主運営の拠点「ひろば」を常設しました。
これら全ての取り組みは、その後展開される行政の「子育て支援」施策の礎を築いてきました。
NPO法人へ
特に、「ひろば」の常設に関しては、国がその必要性を認め、
2002年度から全国各地で行政直営又はNPOなど民間委託の
形で始まりました。
当法人もボランティアの域を超え、行政と協働で事業展開できる
ように2002年、法人格を取得。
2006年、4年間自主運営で行ってきた「ひろば」事業がやっと
高槻市の補助金事業として認められ「ティピーおやこの広場」を
開設、現在に至ります。
子育てを支援する想い
当法人はNPOの立場で、発足当初から変わらず地域に根差した活動を行い、
行政施策では行き届かないきめ細やかな支援を心掛けています。
また、子育て各機関や全国の子育て支援団体と連携し、
NPOや民間事業者による実践を行政施策に反映する役割を担っています。
ティピーの名前の由来
布をつなぎ合わせて作るインディアンのテント『ティピーテント』からとりました。人と人のつなぎ役をしようという思いを込めています